高校から大学にかけて、「満洲」という用語は毎日のように目にしていた。大学に限れば一日に50回は視野に入っていたのではないだろうか。
「満洲」という用語自体は、日本史教科書に掲載されているからか、広く認知されているように思える。こう言ってはなんだが、植民地という歴史的特徴があることを考慮したとしても、日本人にこれほど海外の土地の名称が認知されているのも珍しい。「かつての日本の植民地で満洲以外の地域を述べよ」と問われて、スッと思い浮かべられる人は少ないだろう。満鉄の功績()もあるだろうが、やはり「マンシュウ」という読み方がスッと覚えやすいところに依ると思う。
勿論、3割うまい!!「ぎょうざの満洲」も忘れてはならない。
・餃子の満洲
・ぎょうざの満州
・餃子の満州
どれも間違いだ。
今日日、「満洲」という用語は知っていても、その内容(どの地域を指すのか)や歴史を知らない人が大半だろう。だからボクは満洲を勉強した、といっても(部分的には)過言でもないだろう。
「満洲のことを何も知らないのに気安く満洲と呼ぶな!」なんて厄介な思想は持ち合わせておらず、この現状に不満がある訳でもない。
ただ、
満州
と書いてはならない。これは誤りだ。細かく言えば、特定の場合では満州で通じることもあるが、そんな場合になることは現代の日本の日常会話においてはあり得ないので安心して欲しい。
正しくは、
満洲
だ。“氵”を忘れてはならない。
先も述べた通り、「まんしゅう=満州」で覚えてもらって差し支えないはずだ。
余談だが、ネット上の記事は言うまでもなく、国語辞書レベルでも平気で満洲と満州を取り違えている説明も見られる。常用外漢字が使えないならカナ(満シュウ又はマンシュウ)を使えばいいし、そもそも他では常用外漢字が用いられている時点で一貫性もクソもない。
なんで州はダメなの?と思った方は調べて欲しい。面白いから。だからボクは満洲を勉強した。
別に調べなくてもいい(いちいち地名の由来を調べる人などいないだろう)。ただ地名(日本人にとっては国名)を間違えるようなことは、教養とかマナーとかそれ以前の問題になり得る。日本人が書いてはいけない漢字と言っても良いだろう。尚、「“洲”は常用外漢字だから」と言う人は一生漢字を使わない生き方を勧めたい。
チャウコン
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