久しぶりに良い記事に出会いました。
箱根駅伝が第10０回の開催を迎えるということで、出場大学をこれまでの関東から全国の大学に広げられます。それを知った時のボクや周りの陸上好きは、叶いもしない夢が叶ったかのようで大変興奮しました。
その熱も落ち着いてきた今日この頃、以下の記事を見つけました。
箱根駅伝の全国化 青学・原監督「厳しく言えば、茶番」のワケ 地方の大学に聞くと…（中国放送）
青学の原晋監督が述べられていますが、手放しに喜んでいたのが自分が恥ずかしくなる程、問題点を的確に指摘しています。（「」は記事の原氏による発言の引用）
「ただ、厳しい言葉で言うならば、茶番なんです。形だけ、とりあえず100回大会、地方にも開放しようという形にはなりました。しかしながら、現実問題としてはこの100回大会に出れるチャンスのある学生は、今の高校3年生が入学して、大学1年生のときに100回大会を迎える。今の高校3年生は、だいたいスカウティングがほぼ終えているような状態の中で、ほぼ関東に行く予定の学生が多い。広島経済大学に今から箱根駅伝を目指そうという時間的な余裕はないわけです」（補足：中国放送の取材のため、広島の話題となっています。実際、世羅高校は全国一の強豪校です。）
そして格地方社会のことまで考えられています。そこらの政治家より余程視野が広いです。
「たとえば、広島経済大が箱根駅伝に出場できるというような条件になったら、地元名門校・世羅高校の学生が地元に残って、地元に進学して、たとえば地元の中国電力に就職するという、地元で育てて、地元に残って、さらに地元を活性化させるという好循環が生まれるチャンスが出てくる」
高校駅伝を見ている人ならば、高校と大学の駅伝強豪校の違いはご存知かと思われます。
駅伝は、宮城・愛知・静岡・兵庫・広島・岡山・福岡・熊本あたりの高校が強いです。関東はそこまで……です。これが大学になると関東（というか東京）に集中するのです。東京で練習すると速くなるなら理解できますが、そんなことはありません。
記事にもある通り「100回目大会を盛り上げること」が、問題解決になる訳ですが、やはり上記のような問題点をあらゆる場面で指摘することで「今回だけじゃなく、何年も継続しなきゃダメじゃん」という認識が世間に広まることで、箱根駅伝の全国化は加速すると思います。
一方で、箱根駅伝は関東の大学でのみ実施されるべきだ、という考えも理解できます。ただ、今回このような考えもあるようです。
箱根駅伝は１９２０年に金栗四三氏を中心に創設された。第１回大会の参加は東京高等師範学校（現筑波大）、明大、早大、慶大の４校。「当時、関東というくくりはなかった。『世界で通用する選手を育成する』という金栗先生の理念は関東の学生に対してだけではありません。第１００回大会では、その原点に戻りましょう、ということです」[1]箱根駅伝、史上初の全国から予選会参加ＯＫ ２４年の１００回大会に６０年ぶり関東以外の大学チームが出場へ
なかなか柔軟な考えの模様です。
何年か継続して全国規模で実施し、その結果盛り上がらなかったら関東のみに戻すのもアリだと思います。
閑話休題
選手でもないのにこんなことを言うのは烏滸がまし過ぎるのですが、数字だけを見ても、関東以外の大学が箱根駅伝予選会を突破できるかどうかがラインであり、本戦で上位に食い込むことは（タイム上かつ時期的に）現実的ではないです。その背景が記事の通りです。
それなのに、関東以外の大学に度を超えて期待して、年明けにパッとしない成績を見て「全国化する意味なかったじゃん」といった感想が生まれることのないようにしたいものです（ボクもこの記事を読まなければ、そんな的外れな感想を垂らしていたことでしょう）。
むしろ、「なんで101回目以降は未定なの？」「5年くらい継続しなきゃ分かる訳ないじゃん」「関東学生陸上競技連盟さん大丈夫？」くらい先を見ながら100回目を楽しむのがちょうど良いのかもしれません。
あくまで個人的な予想ですが、関東以外の大学が本戦で10以内に入りシード権を獲得したら、全国化が継続されるのではないかと思います。いつまでに101回目以降のことが決められるのかは不明ですが、10位以内に入るかもしれないと噂されれば、関東学生陸上競技連盟も無視できなくなるでしょう。「関東以外の大学を除く上位10校がシード権を得る」なんてルールを公表したら炎上しそうですから笑。
箱根駅伝全国化に賛成の方に広まることを願います。
参考までに、
去年の記録から、出場が期待される関東以外の大学は、
関東学院大学
皇學館大学
立命館大学
大阪経済大学
あたりでしょうか。とはいえ（しつこいですが）、予選を突破できる可能性であり、本戦でシード権を得る10位以内に入ることは難しいというか、まずあり得ないのです。
チャウコン
三浦しをん『風が強く吹いている』（新潮文庫）はお薦めです。アニメも面白かったです。
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