お疲れ様

受験指導記

 

 

 

同じ月を見て「綺麗だ」と言ったのに、「貴方は私とは違う」と言って別れたということは、あの月の美しさの普遍性が保たれたということだと思う。

誰かが言ったのを思い出していた。

 

「少しくらい遊んで来たら良いのに。試験の出来が良かったのならバチは当たらないし、悪かったのなら誰も君を責めることは出来ないんだ」

こんなことを言っても怒られない(御両親にチクられない)教え子で良かったと思うし、そんな子じゃなければ受け持とうとしなかった気もする。再現答案を見て、受かったと確信した。そもそも、試験終了直後に自分の解答を記した国語の問題冊子を画像で送ってきたので、答案を確認するまでもなく上手くいったのだと予想していた。彼の場合、時間に余裕を持って解答出来たのなら国語の高得点が望めることを知っていたからだ。国語で事故らない限り、彼が東大に合格するのは誰が見ても明らかである。

教え子が東大合格かと感慨に耽っていると、酔いも回って眠りについていた。50時間近く起きていたことが祟ったのか、一度飲み物を飲みに起きたのを除けば12時間は寝ていた。起きて作業を終えると既に月が昇っていた。満月だった。

 

チャウコン

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