閃きを過信せず、論理に身を任せる

試験でパッと思いついた解法(閃き)で解いてみるのは良いが、上手くいかない・解答に自信がない場合は即座にその解法(閃き)を捨てることも重要です。

今回はそのための訓練です。

論述も同様で、最初に浮かんだ文の型で上手く表現出来ないと思ったら、文単位で考え直すのではなく、上手く表現出来なかった部分が表現出来るような文章の型に思い切って改める。これは飽くまで、最初に根拠なく浮かんだ案(閃き)に対してのアプローチであり、それ以降に論理的に導いた解法(論理)は即座に捨てずに時間の限り粘ること。

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今回ならば、敢えて初めから漢字を並べたことで、共通点を見つけることが解法(閃き)だと思わせることを狙った(漢字の羅列を問題文の後に持っていけば、違った印象になるはずだ)。その共通点が直ぐに見つかれば良いが、ダメならば即座に「共通点を見つける」という「根拠のない」解法を捨てること。

「常用漢字で大学入試の試験範囲であるのにも関わらず」の箇所は条件文でしかないため、理解だけすれば考える必要はない。よって、「受験漢字対策の参考書には載っていないという」の箇所が着眼点、糸口となるだろうと予想する。しつこいようだが、この時、最初の漢字のことは一切忘れること。

 
以下は(やや細かいが)思考の段階である。

「受験漢字対策の参考書には載っていない」→「試験に出題されない、若しくは稀である(出題実績が乏しい)」

「試験に出題されない、若しくは稀である」→「試験に出題しても、意味がない」

「試験に出題しても、意味がない」→(どういうことか)→「試験の意味は、受験者を選抜すること」←「それが適わないから、出題されない」

「選抜が出来ない」→「全員が解答出来る、若しくは全員が解答出来ない」

ここで条件文を読み返し「常用漢字で大学入試の試験範囲である」ことから、「全員が解答出来ない」は外れる。

「全員が解答出来る」→(どういうことか)→「(数学風に最低値である)一切勉強をしていない受験生でも分かる解答出来る」

「一切勉強をしていない受験生でも解答出来る」→「知識がなくても、その場で解答を導ける」

「知識がなくても、その場で解答を導ける」→「その場(試験会場)に解答が存在する」

ここで漸く、漢字を見返してみる。

「欄」「選」「票」「塗」「挙」「換」「燃」

どの漢字も、試験会場の教室に居ても確認出来る漢字の羅列だと分かる。

「解答“欄”」「“選”択科目」「受験“票”」「マークの“塗”り方」「質問は“挙”手」ここまでは配られる問題冊子と解答用紙、机上に出せる受験票に載っている漢字である。他にも視野を広げれば「“換”気扇」「“燃”えるゴミ」が見つかる。「“講”義室」なども含まれるだろう。

以上のことから、これらの漢字は試験中に確認が出来る漢字であり、それは出題されないため、出題実績のない漢字として参考書に載らないと考えられる。

 
といった感じです。

この問題が解けようが解けなかろうが、勿論入試とは関係がないです。というか、解けた人は居ません笑

困ったときは論理に頼る大切さを実感してもらうためのものです。現代文に限らず、日本史・世界史の論述や数学も同様です。上記の思考段階の「」の部分を、各科目で教科書に載っている内容(太字・公式など)に置き換えればイメージし易いでしょう(太字が何を意味し何と関連があるのか、公式は何を導けるのか)。問題文を解析し、持ってる知識で地道に解答を組み立てるのです。現代文なら「」の内容まで問題文に載っているのですから、恐れることはないのです。

読者さんが力を発揮出来ることを願います。

チャウコン

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