食べましたよ。
セブンのペペロンチーノのカップ麺。
ボクの思い出。
でもね、ちょっと残念だった。
小学生のボクは割と優秀で、テストは大体100点、全国学力調査で算数満点、学年で一番足が速かったし、ミニバスでキャプテンだった。
今のボクは低空飛行を続けている。競馬も最初に飛ばす馬は大体負ける。競馬を見たことないけど。
当時はそんなこと思わなかったが、親は好きにさせてくれた。宿題を当日朝までしないのを除けば怒られることはなかった。でも、食事は割と厳格だったと思う。
菓子は最低限で、買い食いなんて不可能だった。親が作ったものを食べるのが基本だった。
お小遣いはあったけれどコロコロコミックで底を尽きた。
だから、お手伝いをして稼いだり、作文コンクールでの景品で図書券(カードではない)を得て、文房具屋さんで一番安い消しゴムを買ってお釣りを現金で貰うことで、親の知らないところで現金を蓄えるようになった。
その現金を貯めて向かったのが駄菓子屋だった。
自転車が解禁される小学4年生に合わせて、駄菓子屋に通い詰めた。学校のすぐ側にあったので、今思えば学校にお金を持っていけば良かったのに、なぜかその辺は律儀だった。公衆電話用にと貰った10円は当然、懐に入れていた。
ただ、目的は駄菓子屋ではなく、遊ぶことだった。隠れ鬼か球技、秘密基地を作るのが日課だった。
日課が終わると駄菓子屋に直行。友達も誘ったが、一人でも臆せず向かった。
駄菓子屋は挨拶とか色々守らないと怒られる空間で、あまり怒られることのない自分には新鮮だった。
アホみたいに走り回っていたのでお腹は空っぽで、駄菓子屋といいつつ、駄菓子はあまり食べず、空腹を満たすものを食べていた。
カップ麺のラインナップは、
・おやつカンパニーのブタメン
・東京拉麺のペペロンチーノ(東京だけど、会社は足利市)
・明星の一平ちゃん夜店の焼きそば
だった。
ブタメンが50円、ペペロンチーノが60円、一平ちゃんが100円だった。物価の高騰を抜きにしても、お湯を入れて最後まで作って渡してくれたので、どう考えても安かった。
ブタメンを食べる人が多かったのと、味が好きだったのでペペロンチーノを毎回食べた。ペペロンチーノを買うことはステータスだったと思う。ブタメンとの差額10円があれば、きなこ棒チャレンジができたが、それをしなかった。一平ちゃんを食べなかったのは、お金もだけど、親を裏切るような気がしたからだった。家でカップ麺は食べさせられなかった。
ブタメンももちろん美味しいと感じたが、それでもペペロンチーノを食べ続けたのは、その作り方にあった。
ペペロンチーノというミニカップ麺は、名称の通りペペロンチーノが食べられるし、ラーメンも食べられる。お湯を切って粉スープを半分混ぜればペペロンチーノ。先に粉スープを全部入れてお湯を注げばラーメン。ペペロンチーノで余った半分の粉スープは、ペペロンチーノを食べた後に、お湯で溶いてスープとして飲むのが公式の食べ方だったと思う。
ただ、その駄菓子屋ではペペロンチーノとラーメンの選択はできたが、食べ方でペペロンチーノを選ぶと粉を全部入れられた。作り方の通り、粉スープ半分でもやってくれたが食後のスープを作ってはくれなかったと思う。
粉スープを全部入れたペペロンチーノは、とても塩辛く、美味しかった。とにかく刺激的だった。
どハマりして、2日に一度は食べないと我慢できなかった。お金も使うから、頑張って作文を書きまくった。ボクの今の仕事のルーツはここにあるのかもしれない。
結局、買い食いが許された高校生になっても、一人暮らしを始めた大学でも、日本各地を回っている社会人になっても東京拉麺のペペロンチーノを食べる。もちろん、粉を全部入れるペペロンチーノで。
思い返せばラーメンで食べたことは最初の1回くらいだ。
そんな東京拉麺のペペロンチーノが、エースコックとコラボして、ペペロンチーノBIGを作った。

セブンイレブン限定で、200円くらい。大きい。
ラーメンの食べ方はなく、ペペロンチーノのみ。ド直球だ。

作り方通りに作った。粉スープは全部入れた。半分入れるなんてことは書いてなかった。
食べた。
あぁ、あの味だ。
あ、でも。
あれ。
なんか違う。
あぁ。
うん。
ボクは思い出した。
思い出せる中でも、もっとも過去を思い出した。
初めてペペロンチーノを食べた時のことだ。
駄菓子屋のおじさんの言う通り、粉スープ半分でペペロンチーノを作ってもらい食べた時のことを。
あの味だ。
美味しいけれど、インパクトがない。
粉スープ全部入れの味を知らなかったら、これで満足していたと思う。
ただ、ボクは全部入れの味を知ってしまっている。その味で10年以上を生きている。
あなたに出会ったことを悔やんでいる。
恋愛以外で使うとは思わなかった。恋愛でも使ったことないけど。
まあ正直、BIGサイズというだけなら、本来のペペロンチーノを複数個食べればいいので、エースコックが加わったなりの何かが求められたのだと思う。
しかし残念ながら、エースコックの良さも感じられないし、東京拉麺のぺぺロンチーノの良さも削がれているように感じる。
従来通りスープとして飲むことを期待して、粉スープの量を倍にしてくれないだろうか。どんなに丁寧に、粉スープは半分だと書いても絶対に全部入れる。そういうものだから。
とにもかくにもそんな感じ。
駄菓子屋でペペロンチーノやブタメンを食べるのを友達に見られるのは、なんとなく恥ずかしかったのを思い出すこの頃。
チャウコン
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